常識を疑う

常識を疑う(4) 生徒の企画力が生む感動

今年の体育大会も生徒に随分任せました。

昨年に引き続き、全部を任せようと思ったのですが、これまでの体育大会的な要素も一部残しました。

折衷案です。

私が譲らなかったのは、生徒企画と開催する会場です。

昨年に引き続き、運動場ではなく学校近くの陸上競技場での開催です。

①保護者の駐車場の心配がいらない

②大きな会場なので新型コロナウィルス対策となる

③トラックには線が引かれていているし、フィールドは芝で怪我の心配が少ない。

などのメリットに加え、生徒にとっての晴れの舞台としても最適です。

そんな場所で、生徒の力がみなぎりました。

生徒の企画力

生徒会の企画したプログラムでは、多くのダンボールを使ったゲームが3つもありました。

①四角に切った段ボールの両面に色をつけ、自分の団の色になるようにめくるもの

②ブルーシート上に段ボールを4つ積み上げ、ブルーシート端をピンと伸ばして運ぶもの

③文字の一部が描かれてある段ボール片を集めて、書かれていることを当てるもの

など、どれもぶっ飛びです。

生徒たちは、これだけのダンボールを近くのスーパーに掛け合って準備をしました。

色を塗ったり、文字を書いたりしながら、当日を迎えた生徒の苦労が想像できます。

「楽しむ」ことがコンセプトですので、生徒会企画は大成功です。

披露するダンスも、自分たちで作り上げ、みんなでニコニコしながら踊ります。

あらかじめ決まった踊りを、教師に強要されるのではありません。

ですから音楽も踊りの動きも弾けています。

感動のフィナーレ

閉会式も少し変わっています。

結果を発表するところまでは同じですが、そこからいくつかのサプライズが続きます。

団長に優勝旗を渡して、これで終わりかと思いきや

「ちょっと待った!」

と団長の声。

「私たちから、体育大会を企画してくれた生徒会の実行委員にサプライズがあります。」

と言って、生徒会役員を全体の前に出し、リーダーがお手製のメダルをかけたのです。

かけてもらった生徒の中には号泣する子もいて、苦労が報われた瞬間を皆が目にします。

いい子達だなあと思っていると

生徒会の役員が、

「実は私たちからもサプライズがあります。」

と言って、応援リーダーたちに、お返しのプレゼントが渡されました。

ここでも、やっぱり感動の涙を流している生徒が多くいました。

隣を見ると、教頭も目を真っ赤にし

「いい子達ですね。」

と声も震えていました。

 

何でも、これまでと違うことをすれば、味わうことのない困難もありますが、喜びも大きいものです。

見世物ではなく、楽しむ体育大会、生徒に任せる体育大会を経験したら、これまでの体育大会には戻れません。

 

今回はここまでにします。

次回をお楽しみに。

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