リーダーに必要な力

リーダーに必要な力(28) 総会で紹介したエピソード4(完結編)

教え子が準備してくれた料理を食べ、昔話に花を咲かせました。

小学生の頃と比べると、高校生になった彼らの日常は全く違うものになっていました。

  • 大学を目指して頑張っている子
  • 就職を念頭に資格を取ろうとしている子
  • 部活に命をかける子

とそれぞれです。

しかしそういった現実の世界から、小学校時代にタイムスリップしてきて、どの子の目も輝いています。

もしかしたら、私の異動の会ではなく、自分たちの原点を見直す会ではないかと思えるほどの笑顔です。

そんな空気感が一変します。

いよいよセレモニーが始まりました。

逆バージョンの卒業式

さっきまで騒(ざわ)ついていた教え子たちは、急に雰囲気を変え、静寂の式が始まりました。

卒業式といえば、普通は教師が卒業証書を子供に渡すものですが、この時は全く逆でした。

教え子たちで相談して、卒業証書の文面を考えたのでしょう。

そこには、よく頑張ってくれたとか、これからもしっかりやれと言ったメッセージ性の強い文章が並んでいました。

まさか、自分が異動する時に、卒業して4年も経った子どもたちが、こんな演出を企画してくれるとは思ってもいませんでしたから、熱いものが頬を伝いました。

あんなに文章が下手だった子が、力強い文章で私を励ましてくれる。

この会を誰が企画して準備したか、その経緯を知りませんが、その想いに胸も熱くなりました。

その他にも個別にメッセージや小物ももらいました。

自分の小遣いを使ってくれたのです。

 

そして、全体からのプレゼントだと言って、ネクタイをもらいました。

私からすれば若い感じの色やデザインでした。

自分では選ばない感じのものでしたから、ありがたいチョイスでした。

勝負のネクタイ

この出来事の後、いくつかの違う職場で働きましたが、このネクタイにお世話になりました。

仕事は、いつもうまくいく訳ではありません。

いくら頑張っても、その頑張りが通じなかったり、時には相手にプレッシャーを与えたりと、道に迷うこともよくあります。

そうなると、仕事に行く朝のモチベーションが上がりません。

そんな朝に、このネクタイを締めた自分を鏡に映すのです。

「答えは、すぐには出なくてもいい。」

「きっと、うまくいく。」

 

子供たちからもらったネクタイが私を励ましてくれるのです。

 

・・・と、こんなエピソードをPTA総会で紹介したのです。

工夫で問題を解決する

これ以外にも幾つかのエピソードを音楽と写真で紹介したPTA総会。

人を育てるというのは時間がかかるけれど、それ自体を楽しみましょうという私のメッセージは伝わったみたいです。

PTA総会の出席人数が少ないのは単に魅力がないだけ。

工夫もせずに、課題だと言って問題解決の先送りをするのはリーダーではありません。

今回はここまでにします。

次回をお楽しみに。

次回はこちら

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