新型コロナウィルスの感染拡大に伴って、学校では欠席が増えています。
感染拡大を食い止めるためですから、仕方ないことです。
しかし、中には「これ幸い」と学校を休む子もいます。
学校は休んでも良いという風潮が、世の中に蔓延している気がしませんか?
確かに、オンライン授業や大手予備校などのオンデマンドのアプリをダウンロードすれば、勉強はできます。
しかし学校は、いろんな個性を持つ人と出会って、社会性を身に付けるところでもあります。
ですから、国は家庭の事情があっても様々な援助をして、すべての子どもが通えるようにしています。
私たちにとって、当たり前すぎて有り難みも何もありませんが、途上国になると事情が変わります。
多くの子供たちは、労働を強いられていて学校に行くことさえできないのです。
行きたくても行けない。
そんな子供たちに出会ったのは、20年ほど前でした。
FOSTER PLAN
20年ほど前に、Foster Planという組織を知りました。
先進国の里親が月5千円を途上国の子供に援助することで、援助された子供は労働から解放され、学校に行くことができる制度です。
援助する親のことをFoster Parent される子供の方をFoster Childrenと呼ぶこの仕組みで多くの子どもが学校に通えていました。
私は、その子どもたちが里親に向けて書く手紙や里親(日本)から子供たちに向けられた手紙を翻訳するボランティアをしていました。
その数は、年間120通。
この数だけ聞くと、私の英語力が相当なものだと誤解される方もいるかもしれません。
実は、大したことのない英語力で翻訳できる手紙なのです。
何しろ、教育を受けていない現地の子どもの手紙には
「今日は学校で絵を描きました。クレヨンで書きました。楽しかったです。日本のお父さんんのお陰で学校に行けて幸せです。」
ぐらいのレベルなのです。
労働から解放されて学校に行くことのできる喜びが全ての手紙から伝わってきました。
「兄弟以外の友達と遊びました。」
「学校の◯◯祭りを楽しみました。」
「初めてノートに計算をしました。」
日本人にとって、当然である学校生活が夢のようだと訴えているのです。
この翻訳は、現地語→フランス語→スペイン語→英語→日本語と言った具合に現地の子どもたちの手紙にホチキスどめで増えていきます。
一気に日本語にすれば良さそうですが、いろんな翻訳ボランティアを介することも大切にしているようでした。
ですから、不登校の児童生徒を見ると、つい思い出してしますのです。
Foster Childrenを。
手紙の中に入っていた原色のスケッチ
大きく笑っている学校での自分の姿(自画像?)
「学校に行けてよかったね。」と思わず呟いてしまったあの絵を。
今の日本の不登校は、家が楽だからという側面もある気がします。
これで、いいのでしょうか。
今回はここまでにします。
次回をお楽しみに。
次回はこちら
前回はこちら
始めからはこちら