治療中の楽しみは、何と言っても食事です。
特に陽子線治療は、正味15分もあれば終わりますし、ある程度、行動の自由もききます。
ちなみに、治療中の私には食事制限はありません。
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地元食を味わう
私は、鹿児島県指宿市にあるメディポリス国際陽子線治療センターに隣接するホテルにいます。http://medipolis-ptrc.org/
指宿市中心部から、西の丘を見上げるとその中腹に見えるところです。
市の中心まで、車で10分程度の場所で、施設内には温泉もあり、過ごしやすい場所です。
折角、日常とは違う場所にいるのですから、「食」を楽しもうと思っています。
「身土不二」(しんどふじ)という言葉があります。
意味は、人は暮らしている土地や水と密接な関係があるのだから、その土地で取れたものを食するのが自然であるということです。
最近は、CO2削減のために、カーボンオフセットという考え方もあります。
例えば、九州にいる人が遠く離れた北海道の農産物を食べるというのは、飛行機やトラックのガソリンを使って運ばれたものだと考え、できるだけ輸送距離が短い地元のものを食べようというものです。
これらのことから、地元のものを食べるのは、体にも地球にもよいとも考えられます。
とか何とか言って、要は地元のものを食べようと、出かけてみました。
地元の梅里という古民家レストランです。
平日だというのに、すでに満席。
4組くらいのお客のグループの後に並びました。
そのグループの後に、オヤジが一人並んでいるのですから、少し恥ずかしさもありましたが、待って正解でした。
京の庭とは違う南国のそれですが、風情がありました。
小鉢に入った料理はどれも繊細ですが、特に印象深かったのが土鍋で炊き上げたご飯です。
一人用の土鍋で炊き上げた一合半くらいのご飯。
全くベタッとしていなくて、絶妙の状態で米粒が主張している。
感動しました。
お米は、ご馳走です。
酒器を楽しむ
治療中の私です。
お酒を嗜むのは、治療後にします。
少しでも健康な体で免疫力を高め、陽子線のダメージを減らしたいからです。
でも、ここを乗り切れば、祝杯をあげるつもりです。
そこで、長太郎焼き窯元を訪ねました。
コロナの時期なだけに県外からのお客は断られるかもしれないと心配しましたが、鹿児島の人間は懐が大きい。
私が、メディポリスで治療中だと告げると、おまけをしていただきました。
酒器は生活品ではありますが、陶芸家にとっては芸術作品。
その心遣いに感謝します。
これに薩摩焼酎でも入れて、錦江湾の刺身でもつまみながら、「癌」との戦いの終戦を迎えたいものです。
ゴールイメージが決まれば、さらに、気持ちも前を向きます。
今回はここまでにします。
続きはまた次回。
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