鼻の癌について

癌を生きる(14) 痛みの実際と対策

治療も3週間目に入ってきました。

1日の生活パターンも定まり、幸せな治療生活が続くとばかり思っていましたが、そんなに甘くはないようです。

この状態になるということは、治療の前に説明されていたことですが、そろそろ顔を出してきたと言うことです。

鼻の乾燥と鼻血

普段は、鼻の穴の中の乾燥など気にも止めないのですが、どうも乾燥が止まりません。

カパカパになって、違和感たっぷりです。

以前、自宅で犬を飼っていましたが、元気な時は、犬の鼻は濡れていますが、病気になると乾いていました。

まさか、人間も乾くといけないなんて、知りませんでした。

しかも、陽子線の治療の影響で鼻毛も抜けてきました。

バカボンのパパみたいに、鼻毛が伸びまくっているのはどうかと思いますが、鼻毛のおかげで埃(ほこり)や異物を防げるので、なくなってしまうのも困ったものです。

大量ではないですが、両方の鼻の穴から少量の出血も続き、血液や鼻の粘液が固まって鼻の穴を塞いでいます。

治療継続が、自分に与える影響を考えると憂鬱です。

普段、何も考えずに鼻呼吸ができ、美味しい料理の匂いもわかることは、実は、特別なことだと、このような状態になって気づきました。

口の中の違和感

治療中の楽しみは、食事ですが、私の治療部位は、口の中まで影響があります。

ほっと一息つきたい時に、食べ物を口に入れると、痛いのです。

毎日ウォーキングやスロースクワットを頑張り、免疫が落ちるのは防いでいますし、鼻うがいや軟膏なども丁寧に塗っていますが、陽子線照射には敵(かな)いません。

黙っていて、何も口にしなければ、痛くはないのですから、そうすれば良いだけですが、修験者のような生活はしたくはありません。

前を向けるのは、治療の終了日が決まっているからです。

こんな我慢大会に参加するとは思っていませんでしたが、頑張ってみます。

 

この治療施設には温泉の大浴場があり、少しだけ他の患者さんと会話をすることがあります。

胆管癌の方は、照射前4時間は食事ができないし、前立腺癌も排尿の関係から食事時間が制限されています。

どの癌にも、配慮しなければならないことがあり、どの癌が羨ましいということはないはずなのですが・・・・。

遠足に行って、おにぎりを食べている時に、サンドイッチを食べている友達が羨ましく思えた気持ちに少しなりました。

不謹慎ですかね。

痛さ対策

以前、脳腫瘍の手術をした時、学んだことがあります。

痛くて、どうしようもない時は、何かに夢中になるのが一番だと。

私は、読書に夢中になれますから、本の世界に入ります。

人間の想像力は、ハリウッドを超えていて、本を読みながら空想すると、時間も空間も超えて、とてつもない冒険もできますし、緊迫感も半端ではありません。

原作本を読み終えてから、その映画を見ると中身がスカスカに思ってしまうのは、それだけ人の想像力がすごいということです。

NHKの大河ドラマみたいに1年かけてやっているドラマでさえ、原作の一部しか表現できていないと感じてしまいます。

本によっては、大袈裟に言えば息を止めてページをめくりますから、痛さも少しは忘れられるのです。

面白い本は、今後、紹介してみます。

 

今回はここまでにします。

続きはまた次回。

 

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