教え子が準備してくれた料理を食べ、昔話に花を咲かせました。
小学生の頃と比べると、高校生になった彼らの日常は全く違うものになっていました。
- 大学を目指して頑張っている子
- 就職を念頭に資格を取ろうとしている子
- 部活に命をかける子
とそれぞれです。
しかしそういった現実の世界から、小学校時代にタイムスリップしてきて、どの子の目も輝いています。
もしかしたら、私の異動の会ではなく、自分たちの原点を見直す会ではないかと思えるほどの笑顔です。
そんな空気感が一変します。
いよいよセレモニーが始まりました。
逆バージョンの卒業式
さっきまで騒(ざわ)ついていた教え子たちは、急に雰囲気を変え、静寂の式が始まりました。
卒業式といえば、普通は教師が卒業証書を子供に渡すものですが、この時は全く逆でした。
教え子たちで相談して、卒業証書の文面を考えたのでしょう。
そこには、よく頑張ってくれたとか、これからもしっかりやれと言ったメッセージ性の強い文章が並んでいました。
まさか、自分が異動する時に、卒業して4年も経った子どもたちが、こんな演出を企画してくれるとは思ってもいませんでしたから、熱いものが頬を伝いました。
あんなに文章が下手だった子が、力強い文章で私を励ましてくれる。
この会を誰が企画して準備したか、その経緯を知りませんが、その想いに胸も熱くなりました。
その他にも個別にメッセージや小物ももらいました。
自分の小遣いを使ってくれたのです。
そして、全体からのプレゼントだと言って、ネクタイをもらいました。
私からすれば若い感じの色やデザインでした。
自分では選ばない感じのものでしたから、ありがたいチョイスでした。
勝負のネクタイ
この出来事の後、いくつかの違う職場で働きましたが、このネクタイにお世話になりました。
仕事は、いつもうまくいく訳ではありません。
いくら頑張っても、その頑張りが通じなかったり、時には相手にプレッシャーを与えたりと、道に迷うこともよくあります。
そうなると、仕事に行く朝のモチベーションが上がりません。
そんな朝に、このネクタイを締めた自分を鏡に映すのです。
「答えは、すぐには出なくてもいい。」
「きっと、うまくいく。」
子供たちからもらったネクタイが私を励ましてくれるのです。
・・・と、こんなエピソードをPTA総会で紹介したのです。
工夫で問題を解決する
これ以外にも幾つかのエピソードを音楽と写真で紹介したPTA総会。
人を育てるというのは時間がかかるけれど、それ自体を楽しみましょうという私のメッセージは伝わったみたいです。
PTA総会の出席人数が少ないのは単に魅力がないだけ。
工夫もせずに、課題だと言って問題解決の先送りをするのはリーダーではありません。
今回はここまでにします。
次回をお楽しみに。
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