多分、一番難しいのは、「続ける」ことですよね。
自分なりに盛り上がって、何かを始めたとしても、気持ちは薄れるのが普通です。
行動の指令を出している脳の重さは体の数%しかありません。
しかし、体全体で使うエネルギーの20%を消費します。
特に新しいことや難しいことを課せられると使うエネルギーが増えてしまいます。
人は、何より生命維持を優先しますから、余計なエネルギーを使うことは得意ではありません。
三日坊主は、私たち人間の当たり前の機能なのです。
乗り切る方法は、ないのでしょうか?
当たり前にする
続けることが誰しも苦痛なのは、当たり前ではなく、「特別」だからです。
するのかしないのかを判断しなければ始まらない状況は、誰もが苦しいことです。
我が子が小学校に入学した場合を考えてみましょう。
先生からの連絡プリントを親が必ず見るには
- 親が毎日、子供のランドセルの中身をチェックする
- 子供に帰ったらすぐにプリントを見せるように躾ける
のどちらかだと思います。
しかし、前者の方法だと、思春期まで親が子供のカバンの中身を調べなければなりませんから、良い方法ではありません。
ですから、後者の躾ける方法が良いのですが、躾け方に工夫が必要です。
躾け方を間違えると、
「また、大切な連絡プリントを見せてないでしょ?』
「どうして、いつも言われてからでないと見せてくれないの?」
といった状況になります。
言われる子供の方も
「分かっているれど、なぜかまた忘れた」
を繰り返します。
多くの親は、ここで躾できずに、子供が高校になるまで繰り返します。
しかし、一部の親は、小学校入学後の1ヶ月で躾けて、あとは楽な子育てを楽しんでいます。
プリントを出すことを当たり前にする親の仕掛けがあるのです。
親の仕掛け
まず、最初の1週間で、プリントを出せたことを褒める仕掛けを作ることです。
子供が、プリントを出さずに忘れていても
「何か忘れていない?」
と尋ね、子供自身に気づかせて出させるのです。
「お、今日もよく気付いたね。」
と褒めてあげれば、仕掛けは成功です。
人は、基本的に承認欲求がありますから、脳が良い気持ちになります。
良い気持ちになって続けていけば、プリントを出すことが特別なことではなく、当たり前のことになりますから、脳も楽です。
つまり、続けられます。
騙されやすい脳
もともと、脳は多くのことを平行して処理する力はありません。
脳が考えるのではなく、考えなくてもよい日常にするしかないのです。
「さっき厳しく注意したのに、もうケロッとしている。」
と嘆く大人もいますが、脳の機能を考えると、当たり前です。
- 小さな子供が、大泣きしている時に、おもちゃを見せて気分を変えさせる場面
- 夫婦喧嘩をしている時に、実家の親から電話が来た場合
などの例で説明できます。
どちらの場合も、前の気持ちと同じ気持ちを後でも持ち続けることは難しいです。
泣くような悲しい気持ちを持っていたとしても、楽しい気持ちになると、悲しい気持ちになるのは難しい。
腹を立てていても、冷静な気持ちで誰かの相手をすると、腹を立てた状態に戻るのは難しい。
こういった脳の機能を理解すると、続かないことを嘆くことも、いくら言ってもケロッとしていることも自然なことに思えます。
脳は、特別なことは苦手だし、複数の処理も得意でない。
大人でも当てはまりませんか?
私たち大人は、こういった理解の上で子育てをしていくと良いと思います。
今回はここまでにします。
次回をお楽しみに。
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