先日、私が住んでいる町で第3回目の木鶏会がありました。
発起人は、県内でローカルスーパーを展開している「マルイチ」の高木会長。
それを61歳のMFE MIMUKA社長が補佐する感じです。
毎月、月間「到知」記事の3テーマから選んで意見を交換するものです。
この月刊誌は人間学のテキストであり、京セラの稲盛さんやイエローハットとの鍵山さんも度々登場し、未熟な私に薫陶を与えてくれます。
退職してまだ3ヶ月ちょいですが、「なにか人の役に立てることはないか?」「人間として成長できる余白はないか?」と考えて、この会に参加しています。
自分に合わない人に対して
前回の学びは、自分に合わない人に対して敵対するのではなく、「感謝」する懐を持つ大切さでした。
私は、自分の意見に反対する部下に対して、極力考えを聞こうと努力しました。
しかし、あまりにも偏向的で独善的な考えは、排除の方向で動きました。
そう言った考え方を放っておくと、組織として腐れ始め、芯を失うと心配していたからです。
ですが、そう言った考えを持つ人間の考えにも耳を傾けることでバランスが得られると気付かされました。
全く取るに足らない陳腐な考えであっても、そう言った考えの人間もいることを認め、その前提でものを考えないといけないのです。
採用するかどうかは別として、なぜ対極の考えが生まれたかを知ることは、自分が伸びるヒントに辿り着けるかもしれません。
まだ、まだ修行ですね。
80歳から人生の第2ステージ
今回の研修会では、発起人の高木会長の話が印象に残りました。
マルイチの高木会長は、割と順風満帆で企業経営をされてきたそうですが、15年ほど前に単なる安売りではなく、お客さまの安心と安全の食づくりに乗り出されました。
それが、有機野菜の販売です。
スーパーでは、お客様はより良いものをより安く手に入れようとします。
しかし、良いものの概念は崩れています。
- 真っ直ぐな胡瓜(きゅうり)
- ツヤツヤのりんご
- 大きさの同じトマト
曲がったきゅうりやでこぼこのトマトと何が違うかといえば、見た目だけ。
曲がることが自然なきゅうりを真っ直ぐにするには品種改良の他にも農薬などの影も想像されます。
大きすぎたり、小さすぎたりして店頭に並ばない野菜は、おかしいのでしょうか?
人間だって、大きい人もいれば小さい人もいるのに。
同じ大きさにこだわる消費者は、賢いと言えるのでしょうか?
ツヤツヤの果物とそうでない果物を野外に放置しておくと、そうでない果物に鳥が集まります。
艶出しの薬を使っていない、自然のものがよいと本能でわかるのでしょう。
私たちは、見た目を重視しすぎて、大切なものを見失っているのかもしれません。
虫がついていない野菜は、虫さえも殺してしまう強い農薬が使われているということ。
怖い話です。
さて、有機野菜に取り組み始めた高木会長でしたが、当初は動物系の肥料を使っていたそうです。
しかしこの動物系の肥料は、薬品だらけの飼料を耐えている動物の糞ですから、やっぱり薬の影響があったそうです。
育ちすぎたり、本来の野菜の香りが出せなかったり。
そこで、たどり着いたのが植物系の肥料を使っての栽培でした。
考えただけでも、その労苦に頭が下がります。
- 堆肥にするまでの時間。
- 虫との知恵比べ。
- 大量生産できないジレンマ。
そういったことを乗り越えて、その生産販売にさらに力を入れることを宣言した高木会長。
「私は、80歳からが人生の第2ステージだと考えて、ご恩返しのステージを走りたい。」
参りました。
60歳の私など、鼻垂れ小僧です。
このブログを読んでくださっている方々。
人生まだまだ、これから、これから
ですね。
今回はここまでにします。
次回をお楽しみに
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