大人の責任

大人の責任(20) マイナスに縦線を

成長期の子供に、「自己ベストを目指しなさい」と投げかけた時、「そんなに自己ベストなんて簡単に出やしない」という反応もあるでしょう。

しかし、全員が自己ベストを更新中のものがあります。

それは、身長です。

成長中の子ども達にとって、身長の伸びは気になるもので、身体計測でも自分の身長の値を聞くと笑顔が出ます。

自己ベストは何であっても嬉しいものですね。

全くの余談で本題からはずれますが、私の友だちには体重がいつも自己ベストだと言って、決して萎むことなく大きくなっている人もいます。

成長期でない彼は、自己ベストの体重を自虐的に自慢しています。

本題に戻ります。

人と比べない生き方

人と比べてではなく、これまでの自分と比べての自己ベストを目指すことは、生きていく上で大切な考え方だと思います。

世の中は平等のようで、能力や環境で生まれながらの差があることは否定できません。

しかしそんな中、総合的に100の力のある子供が70の力を出した場合と、30の力の子供が50の力を出した場合、価値があるのは後者です。

確かに、前者の方が出来がよく、点数も高いかもしれません。

しかし、30の力で50になった子供は、次は基礎力50からスタートして、70の力を出せるかもしれません。

自己ベストを更新する生き方は、とんでもない高みに達することが期待できるからです。

しかし、努力だけで必ず成果が出るほど世の中はうまくできていません。

やはり、誰かに助けてもらわないといけないようです。

それは、友だちだったり、家族だったり、先生だったりで、時には運にも助けてもらわないといけないかもしれません。

元巨人軍の桑田投手や松井選手、最近では大リーグの大谷選手は、高校時代に部員と離れて、毎日草むしりやトイレ掃除を頑張ったそうです。

なぜなら、運を引き寄せたかったからだそうです。

野球は、数センチでフェアーとファールに分かれたり、ストライクとボールに分かれてしまうスポーツです。

バットにかすればファールになるし、かすらなければアウトにもなります。

時には、ミリの世界が勝ち負けを左右するのです。

ですから、あんなに才能に恵まれ、自己ベストを更新する生き方をした選手でさえもマイナス(-)に縦線が入ってプラス(+)になるような日々の過ごし方をしたそうです。

そして、その生き方をすれば、運ではない実力が付いたり、人が助けてくれたりするのだそうです。

 

そういう話を聞いて、なるほどなと思っていたところ、世界的に有名なゴルフプレーヤーであるタイガー・ウッズの話も腑に落ちました。

私は、超下手なゴルフプレーヤーですが、コンペの時は、人の失敗を自分のチャンスと思うようなさもしい気持ちもありました。

しかし、ウッズは

「人の成功を望まない生き方は、運を失う生き方である。だからこそ、ライバルのショットが上手くいけば賞賛するし、ロングパットも入れと願っている。」

という言葉を聞いて、考えを改めたのです。

人と比べない生き方、人の成功を喜ぶ生き方が、豊かな生き方だと強く思ったのです。

 

唯一比べるなら、過去の自分。

それが成長なのでしょう。

 

今回はここまでにします。

次をお楽しみに

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