オリンピックの開閉会式でのバッハ会長の挨拶の長さが、話題になっています。
「長過ぎて分からない、まるで校長先生の話だ。」と。
多分、これらのコメントに賛同する方々が経験した校長先生の話は、長くてつまらない話だったのでしょう。
しかも、つまらないからといっておしゃべりをしたら、叱られてしまう環境にいたのだと思います。
話をきくとは
中学校で習う単語で、「hear」と「listen」があります。
どちらも、意味は「聞く」ですが、イメージは違います。
「hear」は、自分の頭に音が届いている感じですが、「listen」は耳を音源に向けている感じです。
だから、
I listened but heard nothing.(聞こうとしたけれど、何にも分からなかった)
といった英文が成立します。
となると、これまでの校長先生の話は、単に注意を向けているくらいのlistenぐらいの気持ちで聞いていたのでしょう。
しかし、最近の校長の中には、プレゼンを使ったり、話し合わせたりもする方もいますから、生徒はlinsten以上のものを求められいます。
(退屈な時間のままの校長のいると思いますが)
校長の話を聞く生徒に求められているレベルを次の5段階で考えてみます。
- LEVEL1 全体の場で決まりよく話が聞ける。
- LEVEL2 話した内容を思い出せる。
- LEVEL3 話した内容から自分の具体的行動を考えることができる。
- LEVEL4 具体的な行動ができる。
- LEVEL5 自分の集団に働きかけることができる。
静かに聞いていたとしても、LEVEL1では頭の中は空の状態でも成立します。
空っぽで成立している時間を、無理強いしているのは、あまりにも意味がありません。
そして、人生において、役にも立ちません。
メモを活かそう
考えてみてください。
大人でも、資料があってでさえ、矢継ぎ早の説明を聞いていると、意識は遠いところに何度もつれて行かれます。
自分なりにラインを引きながら、あるいはコメントを加えながら資料を理解しようとしても、十分に理解できる自信がありません。
それなのに、子どもたちに資料なしで、ただ話をlistenさせて、
「分かりましたか。」
は笑止なことです。
そもそも、人間の五感の「聞く」だけで集中できるはずもありません。
ですから、校長は、生徒にメモをとらせることを大切にして欲しいと思います。
メモなしの話など、体育館から教室に戻った時には忘れ去れれています。
メモの一番のよさは、聞いた話の再現です。
再現されれば、その子なりに作戦を立て、LEVEL3くらいいけそうです。
listenからhearへ
そして、メモを生かす
この二つを考えて聞く側は、少しでも聞いた話を生かして欲しいものです。
とは言え、バッハ会長の話を校長の話だと揶揄されたのですから、話す側の校長も少しは考えないといけないですね。
今回をここまでににします。
次回をお楽しみに。
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こんばんは
久しぶりに以前読んだ続きを読ませていただきました。考えるところが沢山あります。
クスッとユーモアに1人笑ってしまうことも。ありがとうございます。