ボディーサーフィンを続けると結構体力を削られます。
疲れたら、波が崩れない沖に出て、体を浮かべます。
塩水は浮力が高まりますから、全身を脱力すると簡単に漂うことができるのです。
夏の太陽に晒された顔は日焼け状態ですが、目を瞑って海に身を委ねると痛さも疲れも飛んでいきます。
沖に流されても
しかし、これには大きな罠が待っていることがあります。
時々、自分が思ったよりも随分沖に流されてしまうことがあるからです。
単純に数十メートル泳げば元の深さのところまで戻れるのですが、簡単ではないのです。
なぜなら、沖に流されたと言うことは引き潮に連れていかれたということだからです。
元々、疲れていたから漂っていたのに、引き潮に抗して浅瀬に戻るのはかなりの体力勝負になります。
焦れば焦るほど体は疲れ、ついには足が攣(つ)ってしまうこともあります。
どうしますか?
沖で足が攣ってしまったら。
しかも、水深は5M以上。
体力の回復を図るために、また漂います。
ただ、漂い方は違います。
腹を太陽に向けて、手をゆっくり掻くのです。
体を1枚の板にして、手をオールにした状態です。
こうすると海面を面白いように進めます。
今考えると、体をサーフボードにしてパドリングをしていたのです。
誰から教わったわけでもないのですが、必死になってたどり着いた方法です。
泳ぎの下手な人は、脱力が苦手です。
脱力しなければ足が沈み、浮くのに力が必要になります。
しかも、前に進むには相当な体力が必要で、頑張った割には進みません。
私たち浜っ子は、学校で習うよりも自然の中で体を浮かせることの便利さを学んでいたのです。
そして、勇気も。
浜から離れてしまった自分を冷静に受け止め、無駄な体力を消耗しないように、海面を進むのは強い気持ちが必要ですからね。
浜で待つ豊かな生き物
浜にたどり着くとたくさんの生き物が遊んでくれました。
フジノハナガイやキンセンガニです。
昔、小学校の国語の教科書でも、潮汐がわかる生き物の代表としてフジノハナガイが取り上げられていました。
彼らは、波打ち際に生息していて、満ち潮の時に寄せ波で波打ち際までやってきて、引き潮の時に潜ります。
絶えず波打ち際にいるこれらの生き物は、満潮か干潮かを察知しています。
それが分からないと浜に取り残されて干涸(から)びますから、すごい能力です。
私は、貝よりも砂浜にたくさんいたキンセンガニと戯れました。
波に運ばれてさっと砂に潜るその貝を捕まえては、また潜らせて、捕まえる。
触った時の棘の痛さ、水を掻くヒレの形、生息場所。
やらされた勉強ではなく、遊びでじっと観察したことは忘れません。
ここ数年、浜でこれらの生き物を探すのですが、なかなかお目にかかれません。
海が悲鳴を上げている気がします。
今回はここまでにします。
次回をお楽しみに。
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