リーダーに必要な力

リーダーに必要な力(8) 多数決と専決

価値観の多様化に伴い、何かを決めても、後になってもグダグダ不満を言うことも多くなっています。

混迷の中で物事を決めるのは、とても難しいものです。

特に昨今のウィルス騒ぎは、誰も経験したことがない状態の中で、誰も下したことのない決断の是非にフォーカスしています。

テレビでは、明らかに専門ではない人が自分の考えを、公共の電波を使って堂々と述べていますが、そこらのおじさんのレベルの域を出ません。

多分、現在一番の情報が集まっているのは国の中枢でしょうし、一番の専門家もそこに集まっていて政策決定をしているはずです。

ですから、外野の素人が持論を展開したとしても、政策レベルにはほど遠いと思っています。

本来、マスコミはAという考え方があればBという考え方もあると紹介し、その客観的なメリットやデメリットを示すだけで十分だと思います。

下手なバイアスをかけて、国民の考えを誘導するのは危険だと思います。

戦前のナチスのヨーゼフ・ゲッベルスや日本の新聞各社も偏向的なプロパガンダをし、国民の判断を鈍らせています。

あくまでも、判断は自分自身。

価値観の強要はゴメンです。

痛いことを言えるリーダー

もし、様々なことをスタッフの多数決で決めてしまうのであれば、リーダーは必要ありません。

多分、多数決だけに頼ると挑戦はできないし、リスクは減らせますがリターンは期待できないでしょう。

また、将来の成果より目の前の困難解決を優先するはずです。

困難解決といえばカッコ良いですが、一時凌ぎに過ぎません。

昔、小泉純一郎が首相だった時に、「米百俵の精神」を国会で紹介したことがありました。

これは、戊辰戦争に敗れた長岡藩に、窮状を救うために他藩から贈られた米百俵の逸話を元にしています。

疲弊した長岡藩の面々は、その百俵で数日は息がつけるはずだと安堵しましたが、時のリーダーは、学校建設資金に回したのです。

2〜3日よりも、未来を作る決断をしたのです。

多分、多数決なら圧倒的多数で皆に分配していたでしょう。

しかし、学問に投資したことにより、近代日本を作る英傑たちが生まれて行ったのです。

自分の考えを否定されるのは、精神力の強いリーダであっても平気なことではありません。

多数意見に従う方が、その場凌ぎにはあるし、一時的な満足感はあるからです。

しかし、リーダーが見るべきは、未来。

覚悟が問われます。

リーダーの実力が見える時

普段と同じなら、通常のルーティンで物事は進みます。

優しいリーダーだとか、話が分かるリーダーだと言ってもらって満足を得るかもしれません。

しかし、リーダーの実力が一番試されるのは、修羅場です。

絶体絶命の時、ピンチの時にこそ、リーダーの実力が分かります。

これは、誤魔化せません。

冷静な判断をし、厳しい決断ができなければ、頼れませんよね。

だから、修羅場になった時に「なぜこんな状態になったのか」と組織を責める人は、リーダーではないのです。

「その時」がリーダーの価値を決める時です。

あなたの周りのリーダーはどうでしょうか?

 

今回はここまでにします。

次回をお楽しみに。

 

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