リーダーに必要な力

リーダーに必要な力(35) まず動く

地方の公立学校の部活動は今、瀬戸際です。

課題は二つ。

  • チームメンバーが揃わない
  • 指導者の確保

 

一つ目の課題は、生徒数の減少に伴いチームのメンバーが揃わないことです。

ですから、他校と合同チームを作って試合をしなければならない学校も増えてきました。

日頃、メンバーの足りない状態ではフォーメーション練習は難しく、自然と基礎練習が中心になってしまいます。

試合で勝つのは当然難しく、始めから優勝を目指せないのは可哀想な気もします。

しかし、部活動を廃部するのはもっと難しいのです。

廃部を決めた途端、現在の部員は新規加入なしでの活動になり、練習もままなりません。

卒部生と呼ばれる先輩たちの集まる場もなくなります。

二つ目の課題は、指導者の確保です。

最近は部活動の顧問をすんなりと受けてくれない先生も増えています。

なぜなら、自分の得意な競技の顧問になるならまだしも、やったこともない部活動の顧問にならざるを得ない場合があるからです。

それでも多くの先生方は一生懸命に指導してくれますので、本当に頭が下がるのですが、本当にこれで良いのかと指導者側の問題解決の方で動いてみました。

それを紹介します。

プロサッカーチームと歩む

私の息子の通う宮崎大宮高校は、県内では有数の進学校ですが、部活動も盛んです。

サッカー部を指導してくださる先生も未経験者ながら懸命です。

この先生は本当に真摯な姿勢で指導をされ、その態度に頭が下がります。

しかし、技術的な指導は難しい面があります。

そこで、考えたのです。

この先生のもと、技術的なコーチをつければ部活動の質も変わるのではないかと。

まず、動きました。

宮崎県唯一のプロサッカーチームであるテゲバジャーロ宮崎にメールで問い合わせたのです。

プロサッカーチームの社会貢献として高校のサッカーを教えることができるかどうかをです。

数日後、電話をいただきました。

検討したいので、直接会って話を詰めたいとのことでした。

私は、面談の中で

  1.  サポーターを増やすには地域貢献が必要
  2.  技術指導を欲している高校生は将来のサポーターになる
  3.  将来的にはこうした指導体制を県内に広げれば大きな展開も期待できる

といった話をして、説得しました。

すると、相手方も前向きな感じに見えます。

そこで、保護者会の会長に連絡をし、具体的に話を詰めることにしました。(なんと、私は保護者会長にも相談せず、独断で動いていました)

保護者会長も賛同してくださり、先生も含めて話し合うことに。

時には生徒の意向も聞き、数度の話し合いを重ねた結果、プロが指導してくれることになりました。

おそらくですが、県内では初めてのことだと思います。

文武両道と言うのは簡単ですが、その環境を整えもせずに、戦わせるのはどうでしょうか?

現在、コロナの関係で部活動自体がままならない状況ですが、このチャレンジが数年後花開くことを期待しています。

学校の先生のできる部分とプロチームのできるものを上手に掛け合わせれば、これまでと違った明日が見えるはずです。

できないだろうと失敗を予想して動かないのは、何もやっていないの同じ。

指導体制に文句を言うのは簡単ですが、文句なら誰でも言える。

要は自分ごととして考え、動くかどうかです。

 

今回はここまでにします。

次回を楽しみに。

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