生きていく上で、万一を助けるのが、自助、共助、公助と言われるものです。
働き始めれば、社会保険に入りますから、治療費の全額を個人が支払わずに済みます。
日本の社会保障制度は、いろいろ言われますが、アメリカなど先進国の中ではよくできていると思います。
少し、落ちてきているのが共助でしょう。
近所や親戚との関係は昔ほどではなく、それぞれが独立してきています。
隣に醤油を借りるとか、お年玉をあげるなどの濃密な関係ではなくなってきました。
日本が目指すのは、完全なデジタル社会が良いのか、「三丁目の夕日」のような人間関係を残した「レトロフューチャー」が良いのかは分かりません。
しかし、関係性が薄れて「不審者」ばかりになるのは生活しにくいですね。
これらの公助や共助を補うものが自助の個人加入の保険です。
就職と共に何らかの保険に入っていると思いますが、その選択は、よく考えた上でするべきだと、自分の「癌」による入院で思い知らされました。
保険の意味
CTやMRIの結果から、顔の大きさが分かりました。
その大きさは6cm。
ステージは3。
癌は10年から20年かけて直径1cmくらいになった時に発見され、その2倍、つまり2cmで見つかれば早期の治療となるようです。
普通、私の腫瘍の大きさなら違和感を感じるのでしょうが、鼻が詰まっていたわけでもないので気づきませんでした。
頭蓋骨内は、いくつかの空洞があります。
そんな空洞を見つけて、癌が元気になっていたのです。
しかも、怖いことに、昔なら顔にメスを入れ、切除することの多かった部位です。
しかし、今は放射線治療と化学療法と切除手術を組み合わせるパターンが主のようです。
その上をいく先進医療が陽子線や重粒子線です。
この治療は通院でOKなくらい体への負担も少ないと説明を受けました。
私の場合は、運良く陽子線治療を受けることがすぐに決まりましたが、治療費も気になります。
これは、先進医療ですから、300万円以上に治療費がかかるようでした。
私は、すぐに自分の入っている保険の特約を調べました。
少し不安になりながら、契約内容を見ると、先進医療特約がついていました。
ほっとしました。治療費の心配をしながら闘病するのは避けれました。
ですから
絶対に、先進医療対応の保険に入っておくべきです。
ところが、保険内容をよく見ると入院の保証はあついのに、通院の保証は、大したことがないのです。
都会に住む人なら良いでしょうが、九州でこの治療ができるのは、佐賀県と鹿児島県の2箇所の医療機関ですから、隣接のホテルに泊まって通院するしかありません。
それは、入院扱いにならないのです。
先進医療がついていたから大丈夫ではなく、
通院の補償までよく考えておくべきだったのです。
高い保険料を払っているわけですから、補償の範囲を確かめておくのは大切なことです。
ちなみに、ほとんどの人の人生で1番の買い物は「家」、次が「保険」です。
家のローンに終わりは来ますが、保険はずっと続きます。
その額もかなりになります。
だからこそ、保険は慎重に選ばないといけないのです。
保険の選び方
保険は預貯金と違って、預けているお金が政府によって保障されているわけではありません。
そういう意味では、投資に近いかもしれません。
保険会社が潰れれれば、保証も消えてしまうシビアなものです。
潰れるかどうかはソルベンシー・マージン指数を見て、保険会社の健全度を把握しておくといいでしょう。
しかし、落とし穴があります。
大手の保険の外交員が「切り替え」「見直し」を勧めてくることです。
この手続きをすると、それまでに持っていた権利を一旦捨てて、新しい保険に入り直すことになります。
契約的には、新契約と同じになりやすいので、確かめることが必要です。
さて、保険の種類は、年齢によって違ってきます。
一家の大黒柱であるときは、死亡保険をかけておいて万一に備え、子どもが大きくなったら保険を外していくといいでしょう。
これはライフネット生命創始者の出口さんが言っていました。
確かに老人が死亡保険に入って保険金を当てにするとしたら、保険会社はやっていけないでしょうから、その通りでしょう。
しかし、病気補償は年齢には関係ないので、この部分は慎重に考えないといけません。
そうでないと、前述の入院保証はあるけれど通院保証がないばっかりに、自宅から200kmも離れた医療施設の近くにホテル住まいをして、保険がおりないことがおこります。
今の時代、ネット保険で十分でしょうが、内容は一度見ておくと良いでしょう。
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ちょうど、保険の特約の見直しをしていたところです。ブログの内容が役に立ちました。まさかの為に備えようと思います。
それにしても6cmの腫瘍。
気付かないものなのですね…。