鼻の癌について

癌を生きる(31) とりあえず退院

水曜日に手術をし、木曜日は全く使い物になりませんでしたが、金曜日には回復。

土曜日の午後には、お風呂にも入れました。

と言ってもシャワーですが。

4日間もお風呂に入っていないと、熱いタオルで体を拭いて清潔にできても、髪はカピカピです。

熱いシャワーで髪を洗い流すと、一気に生気が蘇(よみがえ)ります。

担当医は、私が忙しいことを知っているので、

「とりあえず、明日退院しますか?」

「再癒着防止の詰め物を鼻中に入れておきます。」

「木曜日に抜糸をしますので、それで終わりです。」

と説明してくれました。

私としても、1日1回の詰め物の交換のためにベッドで何もすることなく待つのは嫌ですから、退院決定です。

気分を変える服

そして、日曜日の朝を迎えました。

朝7時には荷物の整理ができ、服も着替えました。

すると、ずいぶん気分が違いました。

身につけるものを変えるだけで、こんなに気分が違うとは驚きです。

明らかに患者ではなくなりました。

看護師にも、お願い口調から、対等口調に変わります。

何を身につけるかで、気分のスイッチも違うのですから、人は面白いですね。

となると、着るものはその人の気分を表しているともいえます。

スーツなら真剣モード、ラフならリラックスモードが伝わります。

私は学校関係者で、若い頃着るものがラフになりがちでした。

服が気分を表すことを考えると、恥ずかしいことです。

相手が子供であろうが大人であろうが、真剣モードが伝わらないと失礼です。

服は関係ないと言う人もいますが、そうでしょうか?

もし、死刑宣告をする裁判官が短パンとTシャツ姿ならどうでしょう?

ありえないですよね。

精一杯の真剣モードの格好をして、真剣に裁判を重ねた結果を宣告してこそ、相手も納得します。

中途半端な格好では真剣さは伝わりません。

学校でも服装は重要

学校では、生徒に制服を正しく着るように指導しますが、これも同じです。

せっかく学校に出てきた大切な時間を真剣モードで過ごして、何か一つでも身につけて欲しいからです。

人は気分で服を変えることもありますが、服で気分を変えられます。

これを上手に生かして欲しいのです。

偉そうなことを言っている私ですが、鼻の中には白い詰め物があり、鏡を見ると自分で情けなくなります。

しばらくマスクで隠し、私の真剣モードを伝えることにします。

こんな私に職員が退院祝いの花をプレゼントしてくれた話は、この次にします。

今回はここまで。

次回をお楽しみに。

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