学校では、小中学生の家庭学習ノートを定期的にチェックするのが一般的です。
今では、働き方改革で「みました」の印鑑だけが押されることも増えましたが、子供の頑張りは学校では確認したい事柄です。
しかし、このノートが曲者(くせもの)
彩り鮮やか、図表付きのノートも多く、一見すると頑張っている感じが出ています。
やってきた本人も、自信満々。
ただ、これが学習として成り立っているかと言えば、残念ながら非常に怪しいのです。
なぜなら、頭が働いていないからです。
厳しい言い方をすれば、「単なる自己満足」
記憶のレベルは、砂に書いた文字と同じで、風が吹けば跡形もなくなります。
覚え方のコツ
自分の携帯番号は覚えられるのに、家族の携帯番号を覚えることが出来ないのは普通です。
なぜでしょう?
答えは簡単、自分の携帯番号は人に聞かれた時に、口に出したり紙に書いたりする回数が圧倒的に多いからです。
つまり、OUTPUTしているからです。
それに比べて人の携帯番号を覚えないのは、聞くばかりで、自分で口に出すことがありません。
つまり、家族の携帯番号は、INPUTの情報でしかないのです。
脳は、1日のうちすごい量の情報に接しますから、どうでもよい情報は忘れてしまうようにできています。
大切な情報だと脳が勘違いするのは、OUTPUTの回数が多いものに限られます。
お年寄りは、同じ話ばかりをするのは、同じ話ばかりをOUTPUTして記憶をますます刷り込んでいるからです。
聞いただけでは、忘れるのは若者だって同じ。
どうやら、記憶定着の仕方にはコツがあるようですね。
漢字の覚え方を例にしてみます。
基本的に漢字は何度か書くと覚えやすいですが、やり方を間違うと定着しません。
なかなか覚えられない子は、覚えているかどうかを確かめながら練習しません。
漢字を見ながら書くことを繰り返しているだけです。
10回以上も練習して、忘れてしまうなんて、なんだか可哀想ですよね。
これは、単に写しているだけ、INPUTを繰り返しているだけだからです。
一生懸命やっても覚えられないのですから、続けて頑張る気持ちが萎えるのは当然です。
では、覚えられる練習とはどんな練習でしょう?
脳が「思い出す」というOUTPUTを生かす漢字の練習は、
- 覚えたい漢字を書いてみる。
- 正誤を確認する。
- 再度、覚えたい漢字を書いてみる。
- また、正誤を確認する
を繰り返すとよいのです。
イメージとしては、覚えたい漢字を一回一回隠しながら、思い出して書いてみる感じです。
これは、暗記系の学習としては、英単語、理科や社会の用語や年号などを覚える時に応用できます。
正解を見ながら書くと、いつでも思い出せると脳が勘違いするので、実は定着しないのです。
いかがでしょうか?
子どもの学習を、そんな目で見てみませんか?
子どもの多くは早く勉強を終わらせるために写す勉強をしがちで、これを癖にすると、ずっと苦労しますよ。
今回はここまでにします。
次回をお楽しみに
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