大学生になったばかりの息子が、塾講師のバイト面接を受けたらしいです。
対象は、中高生。
家庭教師や塾、予備校の授業料は、結構な金額ですから、バイト代は学生にとって魅力的なんでしょう。
ところで、学力を伸ばす最適な時期はいつでしょうか?
子どもが塾に行き始める時期は小学校の高学年ぐらいが多くなり、中学生になればその率は上がります。
そして、年齢が上がるにつれて、保護者の負担も増していきます。
高校生の塾や予備校の費用は、びっくりです。
息子は、大手のT予備校で現役高校生コースの最低限の選択コースを取っていましたが、それでも年間40万円くらいでした。
子供の数が減っているのですから、受験産業も生徒単価を上げなければならないのでしょう。
しかし、何だか受験産業の作戦にまんまと乗らされている面もあるのです。
一番お金をかける時期
慶應大学の中室牧子教授は、年齢が低い時期の教育投資の方が、リターンが大きいと言っています。
つまり、高校生になって高い塾費用を払うよりも、10歳までに教育投資をすることが大切だと。
そして、このことはすでに米国のデータをもとに実証されているとも。
ところが、日本は、教育の入り口付近にお金をかけていません。
保育園、幼稚園、小学校入学前後。
教科書を見ても難しくはありませんし、「まだ、いいか」と判断してしまいがちです。
ところが、根っこにお金をかけていないので、修正の費用が大きくなってしまうのです。
何も早期教育をして、難しい本を読んだり、算数の問題を解くことが大切なわけではありません。
鍵は、GRITです。
GRIT(グリット)
gritとは、やり抜く力です。
これは
- guts(へこたれずに挑戦する)
- resilience(失敗から立ち直る)
- initiative(目標を決めて自発的にやる)
- tenacity(他に影響されずに最後までやり切る)
の頭文字をとったもので、人生の成功のキーワードでもあります。
以前は、頭の良し悪しをIQで片付けられていました。
しかし、研究が進むにつれ、IQが高くても勉強ができない子、逆にIQが低くても優秀な子がいることが分かってきたのです。
そうであるならば、このGRITを伸ばすことを考えたいし、物事に対する姿勢を早めに定着させるのがいいに決まっています。
その最適期間が、10歳までなんです。
他との比較ができ、自我が目覚めて恥ずかしさも感じる高校生に、「粘り強くなりなさい。」「失敗は怖くないよ」と教えても、できないのが当たり前。
だからこそ、恥ずかしさの程度も少ない時期に、大人が伴走して、粘り強くゴールに辿り着かせる経験をさせなければならないのです。
それは算数の問題ではなく、ブロックであったり、絵であったり、演奏であったりでいいのです。
妥協せずに、ゴールに辿り着かせた時間を刷り込むことが大切です。
その意味では、お金ではなく、大人の時間を投資しなければなりません。
このgritが身についていない子に、「勉強を粘り強くしなさい」は拷問です。
早い時期に、大人が子供に時間を投資しなければならない理由はそこにあります。
なんでも許してしまいそうな時期にこそ、大人の頑張りどころがあるのです。
GRITのない子を有名塾に入れても続きません。
頭がよくても続けるGRITがないのですから。
お金をドブに捨てるのと同じです。
投資は、早めに!
今回のお話はここまでにします。
次回をお楽しみに。
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