昔の子供に夢を尋ねると、野球選手やサッカー選手、大工さんなどを紹介してくれたものです。
今の子供達に同じ問いを投げかけると、ユーチューバーとかゲームクリエーターなど、一昔前には存在してなかった職種をあげてくれます。
ということは、未来にも想像もできない仕事がたくさん待っていると断言できます。
「将来の夢はなんですか?」
と子供に質問をし、その夢を大人が驚いたり、納得したりすることがありますが、微笑ましく見える風景は、加速度的に変わるはずです。
世の中の変化のスピードが早く、なりたい職業をゴールにして未来を考えるというのは可能性を狭める考え方となる気がします。
未来をマーケティングする
面積的には小さな国ですが、シンガポールの一人当たりのGDPはいつも世界トップクラスです。
それは、世の中の流れを分析し、20年後の職業的需要に対応しているからです。
つまり今ある職業ではなく、未来分析をしてそこに向かって学ぶ仕組みが出来上がっているのです。
大きな消費マーケットをもつ中華圏であり、地勢的な要衝であるというストロングポイントに加えて、未来をマーケティングしているのですから、優位性を保っているのでしょう。
子供は、十分なマーケティング分析に基づいて夢を持つのですから、敵いませんね。
何しろ日本は、子供まかせで夢を追わせています。
ですから、諸外国に比べてこの30年は停滞しています。
少し、情のない分析ですが、今の子供達は同年齢に100万人います。
サッカー選手になって、プロになり、ある程度の年齢までプレーできるのは、ひと世代10人いるでしょうか?
確率は、10➗100万=0.000001 0.001%。
ある程度、勉強を頑張って、年収1,000万円の仕事につけるのは、5万人くらいいますので、その確率は5%。
数字で比べればどちらが確実かはわかりますが、夢に引っ張られると0.001%を選ばせてしまいます。
もちろん可能性は0ではないのですし、それを目指す人たちの切磋琢磨で、プレーも磨かれるでしょう。
しかし可能性を客観的に比べることなく、夢を引っ張るのは茨の道だと、子供も親も覚悟しなければなりません。
加えて、AIや産業ロボットの進展で製造業の形態も変わるでしょう。
そのため、5%もいつまでも安泰とは言えません。
シューズメーカーの営業マンが、アフリカの空港から街に向かう時、靴を履いていない多くの現地人を見たとします。
ダメな営業マンは、すぐに本社にメールを送ります。
「売れません。誰も靴を履いていません。」
同じ状況でも、これからは
「大成功間違いなしです。まだ、誰も靴を履いていません。」
といえる感性と地頭力が何より大切です。
答えが準備されているものではなく、答え自体が関わる人間で変わる時代がやってきています。
ですから、未来をマーケティングする力が必要なのです。
今回はここまでにします。
次回をお楽しみに。
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