人間が一番、エネルギーを出すのは、何かに対して怒っている時です。
例えば、子どもが約束を破ったり、嘘を言ったりしたら、親の「怒りメーター」は限界突破をし、レッドゾーンに突入します。
しかも、その時間が数秒ではなく、数分、時には数十分に及ぶことがあります。
昔は、学校でも子供のためにという免罪符を得て、顔を真っ赤にして怒る先生も多かった気がします。
このマイナスのエネルギー、勿体なくないですか?
怒りがもたらすもの
人間のエネルギーの総量は、大体決まっていて、それを使い果たすと、体が休みを欲します。
5分も怒れば、かなり疲れます。
怒って何かが改善されれば怒りがいもありますが、改善とは程遠い結果しか期待できません。
人間の脳は、太古の昔から引き継がれている古い脳と、新しく獲得した脳とでできています。
心が穏やかな時は、新しく獲得した現代脳で考えることができますが、心理的に追い詰められると原始の脳の方で判断してしまいます。
原始の脳は、生命を維持するための脳ですから、考えることは苦手です。
ということは、大人が怒りに任せて大声で叱ると、子どもはますます考えられない脳の状態になります。
結果、何とか分かったふりをしてその場しのぎをして終わってしまいます。
そのため、残念ながら間違いを繰り返します。
何しろ考えられる状態ではなかったので、
- 何がいけなかったのか?
- どうすれば防げたのか?
を考えることのできる新しい脳の部分を使っていないのですから。
エネルギーをかなり使ったにもかかわらず、結果的には分からせることもできない上、親子関係もおかしくなるなんて悲しい話です。
エネルギーの方向を変える
だったら、エネルギーの方向を変えてみませんか?
あなたは、叱る時と同じくらいのエネルギーを褒めることに使っていますか?
叱ると同じくらいのエネルギーで微笑みかけ、良かったねと肩を叩いたり、励ましたりすることは、とても大切です。
同じエネルギーでも、叱れば
- 自分の自信がなくなる
- 新しいことに挑戦しなくなる
- 失敗を誤魔化そうとする
ほめれば
- 自分に自信が持てる
- 新しいことに挑戦する
- 失敗を恐れなくなる
先のオリンピックも、プロスポーツでもコーチングの考え方が指導を変え、選手の能力を引き上げています。
家庭でも会社でも、「褒める」ことを大切にしたいものです。
もしかしたら、原始の脳ではなく新しい脳で考えますから、嬉しい変化も見えるでしょう。
日本人は、褒めることが苦手だと言われていますが、やってみる価値は大いにあります。
今日はここまでにします。
次回をお楽しみに。
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