大人の責任

大人の責任(13) これまでの常識を疑う

新型コロナウィルスは、全世界に蔓延し、これまでの常識を一気に変えました。

ほんの2年前までは、夏場までマスクをしている人は、極々少数でした。

というか、夏場にマスクをする発想自体が私にはありませんでした。

これまでの当たり前は、一時的な当たり前であり、当たり前も変わることを思い知らされました。

ところで、私たちが教わってきた歴史学習でも、そんなことが多いことを紹介したいと思います。

考えない歴史用語暗記の怖さ

日本の国の成り立ちの学習で、「卑弥呼」や「邪馬台国」をいう歴史ワードを覚えます。

しかし、この文字に違和感がありませんか?

国の礎を作った人や国に「卑」や「邪」の文字を使うのは、おかしいですよね。

どうして、こんな字をあてたのでしょうか。

それは、この文字で伝えた中国側の事情によります。

当時の隋の歴史を後の魏がまとめたものに隋書がありました。

その隋書の東夷伝の中に、倭国のことが表記されており、そこでそんな字を当てて紹介しているのです。

「東夷」、中国から見て東にある野蛮で卑しい国々や民族をことを表しています。

交通も通信も今ほど発達していない時代に、東シナ海向こう側にある日本は、ちっぽけで野蛮な国と思われていたのでしょう。

その発想から、「卑」や「邪」の文字があてられたのでしょう。

本当だったら、「日」や「大」を使うべきでしょうに、蔑んだ表現にしたのは、外交上の上下関係などもあったのでしょう。

ただ問題なのは、何も考えずにその字を暗記している状態です。

そして、その文字を覚えているかをテストで試される状態です。

何も歴史に学べません。

「なんで?」と考えない歴史学習は、間違いまで鵜呑みにしてしまいます。

使えない英会話学習

英語の勉強で、教室に入った先生が、

How are you?(元気?)

と尋ねると、自動的に

I’m fine.Thank you.And you?(有難う元気です、あなたはどうですか?)

と答えるよう、私は昔習いました。

何も考えていない英語学習でした。

私のような従順な学習者は、その会話力のなさで、ずいぶん苦労しました。

笑えない話ですが、海外出張で具合の悪くなった社員が、現地の病院に駆け込んだ例が、その苦労を表しています。

現地の医師:How are you?(具合はどうですか?)

社員:苦悶の表情で腹を押さえながら I’m fine.Thank you.And you?

(私は元気です。有難う。あなたはどうですか?)

現地の医師:?

こういった笑えない話は、ビル・クリントン大統領が来日した時に、森首相が対応した会話にもあります。(誰かが作った話でしょうけど)

来日するクリントンとの会話を

How are you?(元気ですか?)

I’m fine.Thank you.And you?(有難う、元気です。あなたは?)

Me too.(私も元気です)

と想定していた森首相が、How とWhoを間違えたところから、話がおかしくなります。

森首相:(How と Whoを間違えて) Who are you?

クリントン:ウイットをきかせて I’m Hillary’s husband.(ヒラリーの夫です)

森首相:Me too(私も夫です)

自分では当たり前だと思うことが全く通じないのは、残念ですよね。

常識を鵜呑みにしない。

なぜを考える。

そのことの大切さを次の世代に伝えたいと考えています。

 

今回はここまでにします。

次の話をお楽しみに。

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