退院して、顔の赤みも取れてきました。
見た目の違和感は少なくなり、県病院でのチェックも終え、癌細胞が分解され、タンパク質と脂肪と水に分解され、体に吸収されるのを待つ段階だと確認もできました。
勝てそうな手応えを得たので、息子に説明をすることにしました。
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安心の説明
もともと、余計な心配をかけたくないので、陽子線治療について、息子には伏せていました。
自分が、家族と離れて暮らしており、月に2〜3回くらいしか会わなかったのを利用した作戦でした。
しかし、ある程度の目処が立ったので、自分の生き様も、決意も理解させ、家族としての覚悟をさせることにしました。
- 癌発見の経緯
- 癌のステージと進行状況
- 陽子線治療の仕組みと治療経過
- 今の状況と今後の治療内容
最初は、私の説明を驚いて聞いていた息子ですが、内容を理解できました。
特に取り乱すこともなく、冷静に、いくつかの質問をしてくれました。
治るのか?
最初の心配はないのか?
私なりに画像を見せながら、丁寧に答えた結果、いつも通りの日常に戻りました。
そこに、深刻さなどは全くありませんでした。
結果的には、私の作戦通りでした。
こういった説明は、不十分な情報のもと、不確かな予測を含んでいると、失敗しますから、良かったと思います。
それにしても、今回の私の病気の流れは、何か見えない偉大なものが支配している気がします。
Something Great
以前、紹介したように、私は、どちらかとう言うと無宗教の部類に属します。
しかし、癌が見つかったきっかけは部下の強い勧めでしたし、その後、関わってくれた医師の考えられないくらいに最短で最新治療に結びつけてくれたネットワークや配慮には、Something Greatの存在を感じてしまうのです。
運を掴むかどうかは、足し算ではなく、掛け算です。
Aさんの持つネットワークの一人のBさんに出会って、Bさんの持つネットワークのCさんに出会う。
そして、Cさんのネットワークの一人のDさんに出会って、助けてもらうようなことです。
もし、途中の人がいなければ、辿り着けません。
良いことも、悪いことも始めから仕組まれているように、その結果にたどり着くようなことがあります。
だからこそ、隣人との関係を「ゼロ」にするような生き方をするのは、自分を救ってもらうチャンスを減らす生き方と言えるかもしれません。
むかし、悪いことを隠そうとしても、祖母が
「天が見ている」
と言っていました。
なんとも抽象的な表現ですが、その「天」を大切にしながら生きていた昔の人々の清廉さに近づきたいと思っています。
今、家庭にSomething Greatはいるでしょうか?
今回、私は、いろいろな細い糸を結びつけてもらって助けてもらいました。
ですから、何でもコントロールできると考える生き方に違和感を感じます。
ばあちゃんが言っていた「天」
それは、昔も今もいるのかもしれません。
今回はここまでにします。
次回をお楽しみに。
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