歴史を振り返ると、絶対的な能力があった人よりも、たまたま転がってきたチャンスを逃さなかった人がリーダーになっています。
そこで今回は、チャンスを掴むための秘訣や健全なリーダーの入れ替わり方について考えてみました。
転がってくるチャンス
大化の改新時の中大兄皇子、鎌倉幕府を作った源頼朝、江戸幕府をつくった徳川家康、明治維新の元勲達。
どの時代のリーダーも雌伏の時期を過ごし、もっと能力に秀でたライバルもいましたが、チャンスを掴みました。
仏教が入ってきたときに、世間のムードから難色を示し、曽我氏を討ったけれども、その後、ちゃっかり仏教を大切にした国づくりをした中大兄皇子。
西日本に寒冷が続いた異常気象のために財力に翳りが出た平氏を撃つチャンスに恵まれた源頼朝。
幼少期の綱渡りの人質時代や大藩に蹂躙されそうになったときに、敵失で難を逃れた徳川家康。
維新の黎明期に次々になくなっていった西郷や大久保、高杉や龍馬の後を上手に引き継いだ薩長の志士たち。
どれも、能力以上の運を感じます。
しかし、運は、待っていてもよくならないようです。
誰かと繋がることが、とても大切です。
10年くらい前に、私が住む地域の古老に聞いたのですが、幕末志士たちの移動時間は、私の想像を遥かに超えて、九州を縦横無尽に移動しています。
博多から鹿児島に船で2日くらいで行っているし、宮崎県の延岡から熊本市までも陸路でさえも2日です。
今と比べたら時間も労力もかかったでしょうが、それでも人々は出合いによって学び、次につながるチャンスを得ていました。
その時、一番残念なのは、チャンスに気が付かない見識です。
結局、学びが足りないのが原因です。
となると、チャンスにたどり着く出会いを重ねる努力と、石なのか玉なのかを見分ける眼力が必須です。
これは、歴史が証明しています。
入れ替わるリーダー
20万年前にアフリカを旅立った人類の祖先は、約1.2万年前に定住生活を始めます。
それまでは狩猟社会で動物を配下に治めようとしていたのが、植物までコントロールしようとしたのです。
ところが、植物は季節の管理下にあり、花時を人間はコントロールできません。
そこで、必要となったのが暦です。
多分、この頃から、1日の概念や1年の概念が定着していったのでしょう。
そして、この間の食料自給を支えていたのは、男性ではなく女性でした。
狩猟は、二日も三日もかかり、大物を得ることもあるけれども、ハズレで全く収穫なしのボウズの時もありました。
村で待っている女性は、そんな不確実なものを頼りにしていては子供を育てることなどできません。
ですから、確実に、木の実を取ったり、芋を見つけたりしていました。
このことからも、力では強かった男たちが、村の命を担うリーダーでないことは、よく考えればわかります。
(私は冷蔵庫の奥の中のものを探すのが苦手なのですが、遠い昔、遠くの獲物を狙っていた男は、草や枝をどけて食べ物を見つけていた女性に比べて、探す力は劣っているのかもしれないと勝手にこじつけています。)
では誰が、小さな子の面倒を見ていたのか?
それは、力仕事ができなくなった老人の役割でした。
老人の知恵で、いろいろなことを教えながら育てるのです。
多分、躾のリーダーもいたはずです。
会社でも学校でも、社長や校長がいつも全部を決めていくことは、不健全です。
生き残るための古代人がいろんなリーダーを駆使していたように、見直す必要がありそうです。
一人に任せて何も考えない組織は、適応力にかけます。
ダーウィンではないですが、力が強いとか能力が高いことよりも、変化に対応できるものこそが生き残ります。
健全なリーダーの入れ替わりを意識したいものです。
今回はここまでにします。
次回をお楽しみに。
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