先週、校長や教頭対象の研修会の講師を務めました。
先月は、就学前のお子様を持つ保護者対象の講演でしたが、今月は自分の経験がより生きる場を与えてもらいました。
以前から、大きく分けて校長には2種類いると考えています。
1 教頭の激務時代から解放されて、校長職を「ゴール」と考えている層
この層の多くは、教育委員会の従順な部下として、自分では考えずにひたすら指示や助言を待ちます。
課題解決のアクションが少なく、波を立たずに平穏無事、現状維持が主目的です。
退任の挨拶で
「私の在任中、大きな事件や事故、関係団体や保護者からのクレームもなく、安心して勤めることができました。」
というタイプです。
つまり変化がない。
私からすれば、何のために校長になったのか分からない層です。
2 自分の頭で考え、常識を打ち破ろうとするが、さまざまな軋轢に悩む層
アイデァはあるが、同調性の高い学校社会では、骨を折ることが多い校長たちです。
こちらは少数派です。
なぜなら、試験で任用される校長は、教育委員会に対して及び腰になるのが普通だからです。
実際のところ、教育委員会は学校の独自性を尊重してくれる場合が多いのですが、校長の方が忖度しすぎる感が強いような気がします。
今回の講演では1ではなく2になって欲しいと考えて話をしました。
その内容をシリーズでお届けしますね。
学校の始め方
教職員の転勤は3月末に内示があって、4月1日には新しい勤務地での仕事が始まります。
そこでは、校長が学校の経営方針を説明し、各部から詳細な始業後の計画案が提案されます。
黙って一生懸命に聞いていますが、ほとんどの職員の脳は飽和状態であり、質問する人間関係もできていないので、沈黙の時間が続きます。
これでいいのですかね?
これが当たり前なんでしょうか?
まずは、フランクに話せる人間関係づくりが大切なはずです。
その関係ができていれば、提案に対するちょっとした違和感を口しやすくなります。
それが危機管理に大きくつながるのです。
いわば心理的に安全な組織づくりがはじめの一歩です。
互いを知る
固い挨拶での自己紹介は済んでいるとはいえ、まだまだ十分ではありません。
間違いを指摘できたり、されても受け入れられる人間関係にはほど遠いからです。
ですから、校長の経営方針説明よりも前に、簡単な人間関係づくりのワークショップが必要です。
その時間を共有することで、チームに近づくはず。
その時間なしで始める会議は、チームというよりグループにすぎません。
互いの関係性があまりにも脆弱ですからね。
とにかく指摘したりされたりが当たり前の組織にすることが大切です。
昔、山一證券、ミートホープ、赤福などデータの偽造が明るみに出た時、多くの社員が口を挟めない組織の問題が指摘されたはずです。
まずは、互いを知って、心が通う工夫が必要なのです。
今回は、話は、こんなところから始めてみました。
このあと、次々に話を展開していったのですが、その内容は次回のお楽しみ。
今回は、ここまでにします。
次回はこちら