いくつかのビジネスをやってみて感じるのは、教育と商売の根本的な違いです。
「教員」というレッテルは、良きにつけ悪しきにつけ、公をバックにした強さがあります。
「これは学校の決まりですから。」
「本校の伝統ですから。」
「文部科学省からの通達ですから。」
ほとんどの方は納得してもらえるのですが、新たな発想や新しい社会の動き、個別のニーズへの対応は不十分です。
ところが、ビジネスでは違うのです。
サービスの質
基本的に学校でのサービスは、相手が良い気持ちにならないものが含まれています。
躾の部分もあるので、
「集会の場での私語は慎みなさい。」
「宿題をしっかりやってきなさい。」
時には、意地悪や万引きなどもありますから、強く諭すことがあります。
なぜなら、悪い芽は初期のうちに摘まなければならないからです。
人間は良いところも悪いところも一緒くたに持って生まれてきています。
小さな悪い芽が出た時は、できるだけ早期に見つけて、児童生徒が痛いことをわかっていても取ってあげなければなりません。
「ちょっと痛いけど、すぐ終わるからね。目を瞑って我慢しなさいね。」
と言った感じで、さっと取ってあげるイメージです。
放ったらかしでいると、その芽は枝ほどに育ち、教師が取り去るのは困難になります。
ノコギリか何かを持ち出すか、強い力で折るかしかないからです。
ましてや、本人に折らせるには激痛を覚悟しなければならないことになり、問題の解決が難しくなります。
ですから、教育におけるサービスは、早めに悪い芽を摘むこともあるのです。
もちろん、基本を良いところを伸ばすことが大前提です。
しかし、ビジネスでは基本的にお客様のニーズを最大限に聞き入れ、どうしても相容れないときは理由を丁寧に説明します。
そうした行為そのものが信用となり、次につながる気がしています。
そういう意味では、境域もビジネスもサービスの難しさがあると感じています。
サービスの対象者
学校では、一旦学級が決まれば、それで1年間進みます。
どんなにクレーマーの保護者がいようが、なかなか難しい子がいようが1年間は何とか頑張るのです。
最近は、メンタルを病んでいる教員も増えていますが、年度途中の配置転換が難しい学校組織にも改善の余地がありそうです。
それに比べてビジネスは、精一杯のサービスをし、どうしても相容れないクレーマーのお客様を切ることができます。
「どうぞ、他のお店でお求めください。」
その意味では、「何の苦労もなくお客が集まるが、関係を切れない学校」と「苦労をしてお客様を集めるが、関係を切れるビジネス」の違いが分かります。
どの世界にも表裏があるのですね。
ビジネス初心者の私の感想です。
今回はここまでにします。
次回をお楽しみに。
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