今年度、私は長期休みの宿題をなくしました。
生徒に選択させたと言った方が良いかもしれません。
長い休み用に先生たちが頑張ってプリントを準備しても、それを仕上げる生徒の3分の1ぐらいしかマッチしていません。
上位の生徒にとっては簡単すぎますし、下位の生徒にとっては重荷になるだけです。
結局、上位層は宿題をもらった途端すごい勢いで終わらせます。
ほぼわかっている問題に時間を取られるだけです。
下位層は、提出までにわかっている問題だけを解いて提出するか、わからなかった問題の答えを写して提出するかのどっちかになってしまいます。
教師側の目的は、学力の向上。
その手段が宿題。
しかし、教師も生徒も提出が目的に化けてしまうことが多いのです。
そのため、できないところができるようになるための学習とならないのです。
ですから、そんな意味のない大量の宿題はやめにしたのです。
さて、宿題をやめにした私ですが、卒業式に宿題を渡そうと思います。
握った手で
それは、15歳の卒業生に家族の手を握らせる宿題です。
思春期の生徒たちは、親の手をしっかり握ることは少なくなっていると思います。
まして、握って感じるものもないでしょう。
ですが、私は生徒にも親にもある視点を与えて手を握らせようと思います。
生徒には、しっかり握った手から親の愛情と苦労を感じ取ってほしいのです。
柔らかかった親の手は、仕事や家事で少し荒れているかもしれません。
もしかしたら皺も増えているでしょう。
その手でときには頭を撫でられて、ときには叱られたかもしれません。
いろんな思いの詰まった親の手を握って、眺めて、感謝とこれからの決意を言って欲しいのです。
家族にも生徒の手から成長と決意を感じ取ってもらいたい。
小さな紅葉の手が、青年のものに変わっていることを時間を止めて確認し、もう少し頑張れるようエネルギーを満たして欲しいのです。
しっかり握って。
今回はここまでにします。
次回をお楽しみに。
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