息子の学校のPTA総会に行ったことが一度だけあります。
総会資料に書いてあることが、単に説明されるいつものやつです。
資料自体は数分で概略は掴めますから、説明が終わるのを延々と待っている気持ちになります。
退屈だなと思いながらも、一応学校関係者である私は、静かに時間が過ぎるのを待ちました。
そのうち、目の前のお母さん方のお喋りのボリュームが上がってきました。
もちろん総会の話題とは関係のない話で盛り上がっています。
総会の進行にも邪魔になりそうなくらいの気になるお喋りです。
注意しようかどうか迷いました。
あまりにもひどいので。
みんなが黙って協力している会で、いつまでも続くお喋りは、気になってしょうがなかったのです。
しかし、PTA総会に魅力があれば止まるお喋りかもしれません。
そうなると、魅力のない総会に参加するだけでも偉いのかもしれません。
次第に、本当にこれまでのPTA総会は、正しかったのかと疑う気持ちが膨らんでいきました。
総会内容に工夫
だいたい校長の話は、長くてつまらないのが定番です。
しかし、プログラムの中には必ず入っています。
そこで私は、校長の話を感動ムービーにしました。
私が思っていること、大切にしていることを文字にして、写真や音楽に乗せて訴えました。
耳で聞くだけでは理解できないものも、写真や文字がスクリーンに映し出されると、イメージまで伝わります。
私は、せっかく総会に来てくれた方の心を震わせようと思ったのです。
例えば
私の初任校では、水が怖くてプールのヘリにしがみついていたある男の子がいました。
特別な支援が必要ですが、素直でよい子です。
しかし、とにかく水が怖くて、プールに入った途端に出たがります。
指導しているこちらの方が何度も諦めかけましたが、どうにかその子の気持ちを前に向かせて、最終的にはビート板を持って25Mを泳ぐことができるようになったのです。
当時は、学校の水泳大会があったのですが、ビート版を使って完泳しました。
お母さんも諦めずに励ましてくれたからです。
ゴールした時に会場に響き渡った歓声、拍手、そしてお母さんの涙、本人の照れ顔。
人を育てることの喜びがそこに凝縮されていました。
もちろん1位はすごいけれど、自分史上最高を更新した彼もすごかった。
こんなエピソードを4つ流したのです。(他の3つは、また紹介します)
もちろん、PTA総会会場にはお喋りの声は聞こえません。
中には涙を流している人もいます。
加えて、PTA役員の年間活動計画も、行事ごとの写真やキーワードを軽快な音楽に乗せてスライドジョーで紹介しました。
単に表で示された事業報告を聞いても、心が動きません。
ましてや、頑張ってくれた役員の働きを分かってももらえません。
次々に示される写真を見れば、学校の1年がイメージできます。
私はその学校に4年間勤務しましたが、総会への参加人数は4倍になりました。
多分、お得感を味わってもらえたのだと思います。
結局、総会に来ないとかおしゃべりが止まないと文句を言うレベルでは、成功は他人任せ。
物事の成否は、自分の動きで決めたいものです。
今回のお話はここまでにします。
次回をお楽しみに。
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