詳しいプレゼンのスライドが、次々に捲(めく)られる。
自分の疑問が整理できず、理解も難しい情報量で、ついには考えることさえやめたくなる。
私は、プレゼンの目的を理解していないプレゼンターに
「何を伝えたいの?」
と問いたくなります。
プレゼンの得意技
自社の車を消費者に買ってもらうために一番必要なものは、「乾き」です。
乗りたいという乾き、自分のものにしたいという乾き
乾いていない馬を水辺に連れて行っても決して水を飲みません。
大地を走らせて喉を渇かせて、水を見せれば、ほったらかしても水を飲みます。
現状で満足している消費者は、乾いていないのですから、「乾き」を自覚させなければなりません。
この場合は、何よりもイメージが大切です。
新しい車に乗った時、ドライブをしている時の自分を想像させてこそ、渇きが生まれます。
ということは、いちいち先進の機能を解説するのは、あとで十分です。
- 真っ赤な車が、疾風の如く街を駆け抜ける。
- 山野の荒れた道をものともせず突き進む。
- これでもかというくらいに大きな荷物が乗る。
- 安全に守られている。
- サロンのような空間がある。
など強調したいイメージを一瞬で伝えることが一番大切です。
そして、それがプレゼンの得意技でもあります。
言葉ではないイメージの伝達に優れています。
プレゼン資料の一工夫
ところが、多くのプレゼンでの発表は、イメージを疎かにして、詳しい説明が多いです。
私の業界だけかもしれませんが、ちっとも分かりません。
イメージを伝えるためのテキストや資料に工夫がないからです。
1 テキスト量
人間が、一瞬で読めるテキスト量は30文字程度でしょう。
しかし、明らかに時間内には読みきれないテキスト量のあるプレゼン資料が横行しています。
2 資料の強調
また、グラフや図もそのまま使われており、適切な加工が見られません。
他者に伝えたければ、グラフ内の余計な情報は消し、見て欲しいグラフ内の場所を強調するか、矢印などで示さないと、聞く方の視点がぶれてしまいます。
3 説明の現在地
プレゼンでの説明が、ダラダラしていて、いつ終わるのかも分からない時は大変です。
眠たさとも戦います。
ですから、プレゼン資料が25枚でできているのなら、使用するプレゼン資料には番号を打つことをお勧めします。
例えば、20枚目の資料は、20/25と示すのです。
そうすると聞き手の方も、
「いよいよ、まとめが近いな。」
と分かるのですが、それがないと時計ばかり気になります。
4 何も示さない
どうしても、自分が一番伝えたいことは、プレゼンの画面を真っ暗にし、聴衆に自分の方を向いてもらうことが有効です。
プレゼンの画面ばかりを見ていた聴衆の目と耳を自分に集めて、原稿を読むのではなく、自分の言葉で熱く語る。
この時、想いは伝わります。
この工夫がないまま終わると、ただの記録テープを聞いているのと変わりません。
こういった伝え方を知ってこそのリーダーです。
今回はここまでにします。
次回をお楽しみに。
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